MT4を使ったFXのシステムトレードには必須のVPSについて比較・検証してみました。
VPSとは?
VPSとはVirtual Private Server(バーチャル プライベート サーバー)の略です。
日本語にすると仮想専用サーバーなどと言われています。
VPSはレンタルサーバーであり、自宅のPCや外部のスマートフォン等から操作します。
FXのシステムトレードでは24時間安定的にMT4を稼働させるのに使用されるほか、EAのフォワードテストにも利用されます。
VPS業者
MT4を稼働させるためのサーバーはなんでもいいというわけではありません。
一般にレンタルサーバーはlinuxベースのものが多いのですが、MT4を動かすためには
リモートデスクトップ機能を備えたwindowsサーバーが適しています。
VPS業者もそのようなサービスを展開している業者から選択することになります。
google等の検索エンジンで「FX MT4 VPS」等のキーワードで検索し、いろいろ調べてみるとわかるんですが、
いろんなVPS業者がある中でメタトレーダー(MT4)用に特化したVPSということになると結局のところ、
『お名前.com』と『使えるねっと』の2社に絞られてしまうんですね。
ということで、
この2社のVSPに加えてボクが普段知人から借りて使用しているサーバー(以下、知人サーバーw)の3つを比較してみたいと思います。
VPSの比較
使えるねっと シルバープラン |
お名前.com | 知人サーバー | |
メモリ | 1.0GB | 1.0GB | 8.0GB |
OS | Windows Server 2008 Datacenter |
Windows Server 2012 standard |
Windows Server 2012 Datacenter |
ディスク容量 | 30GB | 50GB | 120GB |
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
月払費用 | 2,980円 | 2,520円 | 0円 |
初期設定 | やや面倒 | 超簡単 | ー |
各VPSの概要はざっとこんな感じです。
使えるねっとシルバープラン
まず、公式サイトの説明を見ると、シルバープランのメモリは1.0GBということで、メタトレーダーの可動目安は1契約が推奨となっています。
こんなふうに書かれると、このプランだとMT4を1つしか稼働できないのかって心配になるんですが・・・・
実はそんなことは全くありません。
以下、サーバーのスペックです↓
CPUはかなり速いのを使ってます。OSは最新ではないですが、MT4を動かすのには全く問題ありません。
ボクはとりあえずフォワードテスト用でMT4を5つ動かしています。
その時のメモリリソースがこれ↓です。
メモリの使用率が50~60%程度、CPUの使用率が3%程度なので、余裕を持ってサクサク動いてくれます。
(MT4は動作を軽くするため、ヒストリカルデータやEA、インディケーターのインストールは必要最小限にしてます)
また、ディスク容量が30GBということで、自宅なんかで使うパソコンと比較すると少なめに感じますよね。
で、下がディスクの空き容量(MT4を5つインストールした状態)になるんですが、
見てわかるとおり、ほとんど空いています。
ハッキリ言ってまだまだ入るので、メタトレーダーで自動売買にのみ利用する場合であれば容量不足で困ることはほとんどないと思われます。
こんな感じで利用料の割りにはメチャメチャさくさく動く「使えるねっとシルバープラン」なんですが、ボクが実際導入するときにちょっとだけ困った事がありました。
それは、初期設定というか導入がやや面倒・・・というか説明不足だと思われる点です。
申し込みをしてすぐにコントロールパネルにログインできる状態になるのですぐにVPSを使えるのかと思ったら・・・できない。
しかもカードで支払ったはずなのに改めて支払の手続きをしたり、本人確認のデータを送ったりしなくちゃいけない。
結局使えるようになったのは翌日でした。
「使えるねっとはすぐには使えない」んです。
FX用でMT4の稼働に特化したVPSということならば、コントロールパネルで支払いとかの手続きをすることなく一発でリモートデスクトップの操作ができるような仕様であればわかいやすいのかなって感じがします。
お名前.com デスクトップクラウド for FX
まずはサーバーのスペックです。
最新のOSを採用しています。windows8を使っている人にとっては操作しやすいと思います。
フォワードテスト用でMT4を5つ動かしたときのメモリリソースがこれ↓です。
メモリの使用率が約80%ということで、結構高いのかなって気もします。
しかしながら、MT4の起動時などにちょっともたつく感があるものの通常のトレードの動作には全く問題ありません。
ハードディスクの容量は50GBですが、最初からウイルス対策ソフト等が入っている関係(?)で空き容量は33%なっています。(MT4を5つ入れた状態)
ということでスペック的には「使えるネット」と同等か、やや落ちるかなって感じもするんですが、「お名前.com デスクトップクラウド for FX」と「使えるネット」が決定的に違うのは「導入のしやすさ」だと思います。
僕の場合、お名前.comのアカウントを既に持っていた関係もあるのかもしれませんが、申し込みから10分程度でいきなりリモートデスクトップでVPSに接続することができました。
どのVPSを選べばいいのか
結局どちらを選べばいいのかってことなんですが、サーバーの動作的にはほとんど同等か、若干「使えるねっと」の方が上かなって気がしてます。
ただし、導入に関しては圧倒的に「お名前.com」の方が上だと思います。
本格的な運用をするに当たっては、例えば20個のMT4を動かすとき、リスク分散の観点から20個全部を1つのVPSに詰め込むよりも10個×2サーバーとかに分割したほうがよいという話を聞いたことがあるので、ボクはかなり無理をして全部で3つのVPSを利用してますが、費用のことを考えると1個で充分って方もいると思います。その時は
簡単に導入したいんだったら「お名前.com」
導入はちょっと面倒だけど安定しているのが「使えるねっと」
くらいの考えでいいんじゃないでしょうか。
どっちが圧倒的にいいってことは現時点ではないように思います。
ちなみにFX用のVPSでメタトレーダーをいくつ稼働させられるかについてはこちらを参考にして下さい。
コメント
比較動画拝見しました。非常に面白かったです。
少し気になったのが、サーバーの性能です。
VPSの場合、仮想的に複数のPCを構成していると思うのですが、
この場合のCPU性能の表示は意味あるのでしょうか?
実は、現在どこのVPSを使うか検討しているのですが、
「本来の能力」がよくわからないのです。
動画では5個のEAを稼働させておられましたが「同じEA」
では無いでしょう。
もし、また実験されるのであれば、
・同じEAを走らせた場合の負荷%
・同じサーバーをpingさせた時の時間ms
で評価していただければ大変助かります。
長々と申し訳ありませんでした。
よろしくお願い致します。
丸二さん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
以下、ご質問の件です。
> VPSの場合、仮想的に複数のPCを構成していると思うのですが、
> この場合のCPU性能の表示は意味あるのでしょうか?
実はVPSの仕組みをボク自身、あまりよくわかっていない部分がありまして、CPUの性能がアプリケーションの動作にどの程度影響を与えるのか、それとも与えないのか、よくわからないんですが、VPSの仕様、スペックなどの比較表にはメモリ、HDDの容量などとともにCPUについての記載もあるので、多少は関係あるのかなと思ってるんですが・・・どうなんでしょ?
http://www.tsukaeru.net/fx/plan/
http://www.onamae-server.com/vps/kvm/spec/
> もし、また実験されるのであれば、
> ・同じEAを走らせた場合の負荷%
> ・同じサーバーをpingさせた時の時間ms
> で評価していただければ大変助かります。
実は現在、何かと自由度が高いということと、いろんな実験をしてみたいっていうのがありまして、自前でサーバーを立てて運用してまして、使えるネットもお名前.comも契約破棄しちゃったんですね^^;
なので残念ながらご要望の実験はちょっと難しいです。
おっしゃるように、VPSを選ぶのってとても難しいと思うので、1か月契約とかでとりあえず実際に試してみて決めるのが一番かもしれないですね。