EAの運用で安定して利益を出す方法
EA(エキスパートアドバイザー)には自動売買をしたり、ロジックの検証をしたり、手動トレードの補助をしたり、色んな用途がありますが、今回は自動でエントリーして自動で決済するという、自動売買に焦点を当てた話をしたいと思います。
ところで、EAを使って自動売買を行う場合、ポートフォリオを組んでリスクヘッジをすることは必須の条件と言えますが、
ネット上では単独のEAの情報を見つけることは比較的簡単にできるものの、ポートフォリオを組んで運用する方法についてはあまりみかけることがありません。
なので今回はボクが実際行っている手法のうち、比較的初心者の方でも安定した利益が見込めると思われる手法についてちょっとだけ紹介したいと思います。
安定して利益を上げる方法を一言で言うと、
「ほとんどのEAは好不調の波があるので、調子のいいEAでポートフォリオを組む」
ということに尽きると思います。
手順としては
- 本運用の候補となるEAを数十種類程度テスト運用VPSで稼働させる。
(はじめは10個くらいでいいかもしれません) - その中から調子のよいEAを10個ほど選び、ポートフォリオを組んで本運用のサーバーで稼働させる。
(はじめは3~4個くらいでいいかもしれません)
なぜポートフォリオを組むの?
異なる手法(ロジック)をバランスよく運用して一発退場になるようなリスクを分散するということになると思います。
EAボタンを押せば、あとは完全にお任せというのは実際は難しく、リスクを分散しながらトータルで長期的に利益を積み上げることがEAをつかった自動売買のコツです。
ちなみに裁量トレード(手動トレード)の場合、例えば1か月で100万円が1000万円になったとか、あり得ない話ではないと思いますが、そんなトレードをしていれば、それと同じくらいの確率で資産がゼロになることも十分あり得るということを念頭に置かなければいけません。
本運用の候補となるEAの選定するには
まず、本運用の候補となるEAを10個くらい選びます。
本当はあらゆる融通が利くということを考えるとEAを自作することがベターだとは思うのですが、自作はとっかかりのハードルがちょっと高いと思われるので、今回は有料または無料で手に入れられるEAが前提です。
テスト運用ではざっくりと良さげなEAを選べばよいと思いますが、よさげな有料のEAを10個集めることはちょっと金額的にハードルが高いし、高価だからと言って勝てるEAであるとも限らないので、有料のEAを集めることは最初はかなりのネックになると思います。
なので、最初は無料のEAを試してみるのがいいかもしれません。
その際の最低限の条件(有料のEAの場合も)として、
- リアルタイムのフォワードテストが公開されていること
- バックテストができること(または公開されている)
- パラメーターはデフォルトで行うことができること(またはプリセットが用意されていること)
等が挙げられると思います。
リアルタイムのフォワードテストが公開されていることの重要性
フォワードテストでは、口座開設以来の利益の推移や、直近の相場での動向、バックテストと整合しているかなど、様々なことがわかります。
この「フォワードテストはリアルタイム(現在進行形)であることが重要です。
リアルタイムのテストを改ざんすることは技術的に難しいので信ぴょう性は高いと思われます。
googleなどで、「無料 EA」などのキーワードで検索すれば、無料のEAを配布しているサイトにたくさんヒットしますが、非常に素晴らしいバックテストの結果を掲げているものの、多くはリアルタイムのフォワードテストは掲載していません。
これらのサイトの多くは、口座開設の報酬やキャッシュバックIBを受け取ることを目的としていると思われ、バックテストと実際のトレードの結果が大きく異なる場合が多いようです(実際やってみればすぐわかります)。
もしEAに優位性があるならば、フォワードテストを公開することは製作者にとってメリット以外ないと思いますし、逆にこれが公開できないということは、公開できないなんらかの不都合があると思わざるを得ません。
IB狙いサイトを見分ける方法
これらに当てはまる場合、残念ながら結構な確率でEAの無料配布を装ったキャッシュバックIB狙いサイトだと思われるので、安定的に利益を積み上げることは難しいかもしれません
なお、フォワードテストの結果だと言って過去に行った(リアルタイムではない)フォワードテストの結果を掲げることにはほとんど意味がなく、逆に初心者を欺こうとする悪意を感じます。
バックテストができることの重要性
バックテストの結果はどのようなストラテジーなのかを判断するのに必要な最低限の情報です。
バックテストの結果が公開されていることは当然ですが、EAによっては自分でバックテストができないものも存在します。
自分でバックテストを行うことはEAを組み合わせる際のパランスを取るためのロット数の調整などをする際に絶対に必要な作業です。
これができないのは致命的なので選ぶべきではないと思います。
EAを選定する際の注意
- スキャルピングのように一日に何十回~何百回もトレードするようなEAはスプレッドとの戦いになることが多く、扱いがなかなか難しいので、最初は避けた方が無難だと思います。
- ポジションを多く持つようなEAは証拠金が足りなくなってポートフォリオが機能しなくなる危険性があるので、初めのうちは最大1~3ポジションくらいで抑えた方が無難だと思います。
- 成績が良くても大きな含み損をかかえる(ドローダウンが大きい)EAは避けるべきだと思います。
- 無限ナンピンを含め、ナンピンを多くするEAやマーチンゲールのEAは運が悪ければ口座破綻する可能性があるので避けた方が無難だと思います。
例えばワンミニFXなどは、2017年の4月以来2020年1月現在まで、一度も停止させることなく稼働させているEAで、証拠金が5倍近くになっています。
しかしこれは典型的なナンピンマーチンロジックであり、もし運用するとすれば、ポートフォリオに組み入れるよりは単独のハイレバゼロカット口座で運用するべきEAだと思います。
EAを選定する
例えばゲムフォレックスから選定する場合です。
ゲムフォレックスでは一定の条件をクリアすればEAを無料かつ無制限で利用することができます。リアルタイムのフォワードテストが公開され、もちろん自分でバックテストを行うことも可能です。
https://gforex.asia/
の中ほどにある「人気FX自動売買ソフト(EA)ランキング」で2020/01/23現在、第1位を獲得している
「gee_Forex_Swing_GBPJPY_M15」
を見てみます。
ログインするとパフォーマンスが見られます
↓
パフォーマンスを見てみると、運用期間は短いもののなかなか良さげに見えるのでEAをダウンロードしてバックテストで以下のような点について確認してみます。
- 掲載されているフォワードテストと自分で行うバックテストが一致するかを確認する。
- バックテストを行いどの程度のドローダウンが起こり得るかを確認する。
こんな感じでまずは本運用の候補となるEAを10個ほど選べばいいと思います。
基本的には成績が右肩上がりになるEAを選ぶのが良いと思いますが、実はそのようなEAはドローダウンが大きい場合も多いです。
なのでそうしたEAの他に「好調と不調の波が分かりやすいEA」を選ぶのもいいと思います。
また、リスクヘッジのために、順張り一辺倒ではなく、逆張りも選んだり、ブレイクアウトと押し目戻り目狙いなど複数のロジックを選ぶことも大切だと思います。
テスト運用で調子のいいEAを抽出する
本運用の候補となるEAをはじめは10個くらい選んでテスト運用VPSで動かします(フォワードテスト)。
そのなかから調子のいいEAを3~4個くらい抽出します。
テストなのでデモ口座で十分だと思います。デモ口座とリアル口座では動作が若干異なることがあるようなのですが、ボクの経験上特に問題が生じるようなレベルではないと思います。
EAによってはデモ口座では動作しないものもあるので、その場合はリアル口座でテストすることになりますが、ロット数は最小(0.01など)でOKだと思います。
なぜテスト運用するの?
- バックテストと実際の運用の差異やEAの動作を確認するため
足の途中でエントリー、決済するEAでは、バックテストとフォワードテストに差異が生じる場合があります。
EAが思いもよらない動作をしないか、最低でも2週間から1か月くらいはデモ口座、または少額のリアル口座で動作の確認をするのが無難です。 - 調子の良し悪しを見極める
優位性のあるであっても調子の良し悪しがある場合が多く、効率よく安定したトレードを望む場合は調子の悪い期間はEAの稼働を停止する必要が生じる場合があります。
そのために、基本的にはテスト運用はEAを稼働させっぱなしにします。
次回は、
調子を判断する方法
本運用のポートフォリオの組み方
ロット数の決め方
などについて書きたいと思います。
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